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上殿 明良*; 伊藤 久義; 大島 武; 鈴木 良一*; 大平 俊平*; 谷川 庄一郎*; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 三角 智久*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 36(11), p.6650 - 6660, 1997/11
被引用回数:16 パーセンタイル:63.3(Physics, Applied)立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)へチッ素(200keV)及びアルミニウム(200keV)のイオン注入を行い、発生する欠陥を単エネルギー陽電子を用いて調べた。また、注入された3C-SiCを熱アニールすることで、欠陥がどのように振舞うかも調べた。その結果、室温注入後はおもにシリコン単一空孔と炭素空孔が結合した、ダイバーカンシーが発生することがわかった。また、それらの空孔欠陥はその後の熱処理でサイズが大きくなり、1000C付近のアニールでは空孔クラスターを形成すること、またさらに高温でアニールするとクラスターは分解し始めることがわかった。これらの振舞いは、これまで調べた炭素空孔、シリコン空孔の熱アニールの振舞いで説明できた。また、ダメージ層の回復は結晶の深部より始まり、アニール温度の上昇とともに表面の方へ向かってくることも明らかになった。
上殿 明良*; 伊藤 久義; 大島 武; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*; 守屋 剛*; 河野 孝央*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 35(12A), p.5986 - 5990, 1996/12
200keVでチッ素N又はアルミニウムAlを注入した3C-SiCの空孔型欠陥に関して陽電子消滅法を用いて調べた。陽電子のエネルギー(入射)とSパラメータ関係より欠陥サイズの試料中での深さ方向の情報を得た。測定の結果、注入温度が高いほど空孔型欠陥のサイズが大きくなることが分かった。また、注入後の熱アニールの効果については、室温注入した試料は、熱アニール(1400C)を行うと、さらにサイズの大きな空孔型欠陥が生じるが、800C注入+熱アニール(1400C)はそれほど空孔のサイズは大きくならずにいることが分かった。これらの結果は、注入温度が高温ほど、注入中に生じた単一空孔が移動し、複空孔や空孔クラスターを形成すること及び、注入時のダメージが大きい、室温注入では熱アニールによって空孔が動き、大きな空孔クラスターを形成することを示唆している。